となりの紀田くん
「はぁ………もう。あんたの顔見てるとヘドが出そう。りん、帰ろ」
「あ、うん」
鈴を促して席を立ち
歩き出そうと一歩踏み出す
けれどーーーーー
それは紀田によって
阻止される。
自分の腕に目線を移すと
紀田がしっかりと私の腕を
掴んでいるではないか……
「何?」
「何、ちゃっかり帰ろうとしてんの?」
「はぁ?」
紀田のわけわからん発言に
呆れ顔になる私。
「はぁ?………じゃねーよ。お前は俺のって言ったろ?だからお前は俺と一緒に帰んの」
そう言うや否や
しっかりと掴んだ私の
手を引いて歩き出す
って、いやいやいやw
ちょっと!!
「ちょ、離して!!りんっ!へるぷみーっ!!!」
鈴は苦笑いしながら
私と紀田を見つめている
さようなら私の鈴
って…………
「ーーーーー助けろよっ!!」
そんな小さな願いが
叶うことなく
私は彼に半ば無理矢理
連行されるのであったーーー。