となりの紀田くん



「俺が自殺するように仕向けたんだよ………」





悠斗が口を開く





「どうやって?」





「ああいう、自殺願望者はな………簡単に洗脳出来るんだよ」






何それ………最低。





「つまり、あれか。その妹さんを女将さんに見せたてて、俺を犯人に仕立て上げようって魂胆か。」






「そういうこと。」





「おそらくその写真は合成だな。俺の手に包丁握らせて、妹さんの死体の写真の上に俺の姿を重ね合わせて現像したんだろ?」





「よく、分かってるじゃない。さすが裕也ね、頭いいわ。そうよ、これは合成…………良くできてるでしょ?苦労したのよー」





「それを警察につきだして、どうするつもりだ?」





「もちろん、あんたを逮捕してもらうために決まってんでしょ」





「無実なのに?」





「だから証拠を作ったんじゃない」





「へえ。嘘っぱちの合成写真をか?ご苦労様だな」





「まだ、自分の置かれている状況が理解できてないみたいね」






紀田が要さんを
挑発するから
要さんに火が
着いてしまったようだ





紀田のバカっ!!





「状況?それくらい分かってるよ」





「なら、そのムカつく口を閉じなさい」





「クスクス……その写真の出来の良さは認めてやるよ」




バアンッ




「閉じろって言ってんのよ!!」






怒鳴りつけるのと同時に
テラスのテーブルを
思いきり叩く……





「ちょ、要。落ち着けよ」




荒れ狂った要さんの肩を
悠斗が掴む





パァンっ





しかしその手は
無惨にも弾かれた





「触らないで!この役立たず!」





は?
今何て言った?
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