となりの紀田くん



「梓くんも、ゆあと一緒で勉強教えるのが下手なの……」





やっぱりぃいいいい





どうすんのこの状況!?






「俺がまた教えてやろうか?」






ごめん………






「今、誰か喋った?」





「あ?」





私の言葉に紀田が
眉をしかめる





「え、今の紀田?」





「お前いつになったら、日本語が理解出来るようになるんだよ」





「え、だって………」





「で、どーすんの?」






「え………いや、その…………」






「お願いします!紀田先生っ!」





戸惑う私をよそに
鈴が元気よく返事をする





「分かってるな…榎本。どっかの素直じゃない、お猿さんと違って…」





え?いやいやいや
ごめん。今、私の
隣にいるのは誰?





「ってことで、場所は俺ん家でいいよな?」





「いいよ!梓くんも一緒でいいよね?」




「別にいーけど。」





私が呆然と立ち尽くす中
着々と進んでいく会話





え、ちょっと待って………
これは一体何事?




紀田ってこんな
奴だったっけ?





「じゃあ、放課後な。」





「イエッサー!!隊長!!」





何か二人ともキャラ
変わってね??





キーンコーンカーンコーン




事の流れを把握する前に
チャイムが鳴り響き
先生が教室に足を
踏み入れる




あっ!今、鈴に
聞こうと思ったのに!




そんな事を思いつつも
仕方なく前へ向き直る




そして、それを
一向に聞き出す事が
出来ないまま





放課後が訪れてしまったーーー
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