となりの紀田くん




「え、何!?ナニゴト!?」





「ゆあ、本当に気づいてないの?」






「ってゆーか、普通………自分の誕生日忘れる人っていないよね」





梓くんが私を
呆れたように見て笑う





「今日は何月何日?」




悠斗が私に質問して
平山さんは無言で私を見る。






「今日は、えーっと………」





真剣に考えてみる………
12月…………




「7日だ………私の誕生日じゃん」





私の口からポツリと溢れる





「だから、言ってんじゃん!」





「お前、本当バカだな。猿以下だろ」





「やっぱ内倉天然だわ」






私の呟きに
みんながそれぞれ
反応する





すっかり忘れてた……
12月7日は私の誕生日





「とにかく、中に入れよ」





いまだ靴を履いたまま
玄関に突っ立っている
私に紀田が親指で
自分の後ろを指差す





「え、あ…うん。」





部屋の中へ入るなり
私は再び目を見開く




テーブルに並んだ
料理の数々に




可愛く飾り付けられた室内





その真ん中には




【ゆあ Happy birthday】





と書かれた看板みたいなものが
貼り付けられている





何、このサプライズ!!!
なんか………凄く嬉しい!!
そう思うのと同時に
涙が溢れてくる




「ゆ、ゆあ!?泣かないで!」





「嬉し泣きだ!このやろうっ」





私は鈴に思いきり
抱きつき頭を撫でる





鈴、可愛すぎ/////






「泣き虫な猿だな………うわ、きったね。鼻水垂れてるし」





「うるさい紀田!猿じゃないっつーの!!」





とか言うけど………





「ありがとう」




紀田が私の為に
みんなと一緒に
計画してくれたのは
確かな事実で




私は素直に
お礼を言ったーーーーー




だけなのに何故




抱きしめられた!?
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