となりの紀田くん
「え、これ紀田?」
「名前、書いてあんだろーがよ」
「めっちゃ可愛いんだけど!!え?何これ?今とは大違いじゃんっ!!」
「うっせえな。可愛いって言うなよ!」
「照れてる?」
「照れてねーよ」
「照れてる!!」
「あーもう!うっせえな!」
しつこいゆあの頭を
くしゃくしゃっと撫でる
こいつ以外に
小さいのな………
中身と違って外見は。
「もー!紀田のバカ!髪ぐしゃぐしゃになっちゃったじゃん!」
「ゆあ………」
「急にそんな真剣な顔してどうしたの?」
「お前………俺の過去、知りたがってたよな………」
「あ、うん。いや…そうだけど………なんで?」
「お前に全てを知らせた上で、伝えたいことがあるから。」
「そっか。」
それっきりゆあは
口を閉じて
俺の瞳を真剣に
見つめるーーーーー
「俺は………」
俺も真剣にゆあを見つめ
重い唇を開いたーーーーーー