となりの紀田くん
*裏切りとゲーム*
*裏切りとゲーム*
【紀田過去編】
中学校一年生 入学式。
「あー、だりい。」
「おいおいw 新生活の始まりなんだしテンション上げて行こーぜ!!」
「俊は相変わらず元気だな…」
羽麻 俊は俺の
小学生時代からの親友。
そして今日は
中学校の入学式。
初の制服に胸が
弾んでいるのは
俊にも内緒に
しておこう………。
「何組~?」
「んー、あ!六組だ!俊と同じ」
「マジ!?まじ、俺ら運命の赤い糸で繋がれてんじゃね?」
「キモい」
「ひでぇ。親友に向かってキモいは無いだろw」
「事実」
そんな事を話ながら
教室まで足を運ぶ。
何だかんだ言っても
新生活に期待と
不安があるのは
紛れもない事実で
俺たちはドキドキしながら
足を踏み入れたーーーーー
「あ!紀田くん」
「今日もかっこいい!!」
「ねえねえ、メアド教えてよ!」
教室に入るなり
俺の周りに集まる
女子の大群。
まじ、鬱陶しい。
「ごめん、俺………女に興味無いから」
「そんな冷めたところもスキ!」
「クールな紀田くん最高!」
もう、ダメだ。
何を言っても
通じない…………。
俺は大きな溜め息を吐き
スキを見て女子の蟠りから
抜け出したーーーーーーー
「相変わらずモッテモテだね~♪」
「別に嬉しくねえよ。興味ねーし。」
早速、冷やかしにきた俊に
不機嫌面で答える
「またまた~!そんな事言ってると男子達から反感買うぞ~!」
と悪戯に笑う。
「知るか」
男子たちから
疎ましく思われてるのは
今に始まった事じゃない
とっくに慣れているし
別に何とも思わない。
ってか、そんな事に
敵対心抱かれても
正直困るわけで………
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり
担任であろう先生が入ってきて
一組から順に移動が始まる
着々と進んでくる放送に
俺の鼓動も高鳴っていく
そしてついに
俺たちのクラスも
移動を始めたーーーーー