となりの紀田くん



「もう、大丈夫だ」



「紀田くんありがとう……でも、暴力は良くないよ?」




涙笑いで首を傾げる
不知火先輩…………




ドキッ




え、何だろ…………
この気持ち。





「と、とりあえず先輩!離れましょうよ」





「ふぇ?あ、ごめん!!」




今の現状に気づいた先輩が
顔を真っ赤にしながら
慌てて離れていく





「じゃーね、先輩!もう、襲われないで下さいよ」





「う、うん!紀田くん、ありがとう!」





俺は背を向けて歩きながら
手をヒラヒラさせて
その場を去ったーーーーー





ーーーーーーーーーー





それから、よく先輩と
絡むようになり
相変わらず口煩いけど
俺の中で先輩の存在が
変わり始めていた。





「不知火せんぱーい!!」




「あ?」←昴
「何?」←要





俊の言葉で
振り返る二人




「あ、要さんの方ッス」




「もう、ややこしいから名前で呼べ!」





「はーい」




「裕也も、俺たちのこと名字で呼ぶなよ?紛らわしいから」





昴先輩は俺と俊の頭を
くしゃくしゃっと撫でて
どっか去っていた。





「あ、もう!お兄ちゃん!!生徒会サボんないでよ!」





「俺も帰りてーな。」





「紀田くんはダメ!」




「ですよね」




何でこうなったのか
よくわからないけど………





要先輩の推薦で
何故か俺まで
生徒会執行部の
会計に任命されて………





ちなみに俊は書記。





まあ、俊いるし
適当にやってれば
何とかなるかー。




と思いつつ
生徒会室のイスに
腰をかける。
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