となりの紀田くん



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やっぱ、すげー退屈だな。
そんな事を思っていると





「なあ、裕也」





隣にいる俊が小声で
話しかけてきた………





「ん?」





「あのさ、俺…………要先輩に告白しようと思うんだけど……どう?」






何を言い出すかと思いきや………。





どう?とか聞かれても………
つーかそれ、今ここで
相談することか?






「いんじゃね?まあ、大事なのはお前の気持ちと覚悟だけどな。………頑張れよ」





「だよなー。さんきゅ裕也………俺、頑張るわ!」






ズキッ






なに今の?





何で俊の笑顔を見て
胸が痛くなったんだ?





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「今日は、ここまで!また明日にしよう!」







要先輩の一言で
その日の生徒会は
終了した。






「しゅーん、帰ろ…………」






あ、そっか…………。





告白すんだっけか………






既に会話を始めている
俊と要先輩を残して
俺は生徒会室を後にした。





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「ただいまー」





シーン





静まり返った家。






「なーんて、誰もいないか。」






両親は仕事やパーティなどで
家を空ける事が多く






ほとんど毎日を
一人で過ごしてきた…






別に寂しいなんて
思ったことはない。





両親からは
十分に愛されてるし
学校もそれなりに
楽しいし…………






何より俺には
俊という最高の
親友がいる………




そして…………




何故か要先輩の
顔が頭に浮かんだ。
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