となりの紀田くん
*誘惑*
*誘惑*
「今日も雨かぁ…」
「やだねー。私、雨嫌い」
「私もー」
6月中旬……
梅雨の時期でございます。
しっかし蒸し暑い
うちわでパタパタと
扇ぎながら休み時間を
グダグダと過ごす……
「てか、もうすぐ夏休みだね!!」
「うん……でもその前に期末テスト……」
鈴が酷く深刻な顔をする…
「どうした?」
「前回の中間の数学でね……赤点取った人は…今回の期末で80点以上取らないと夏休みが無いって……」
「え?まじ?りん……何点だったの?」
「え、えっとね………18点。」
じゅ………
じゅうはってん!?
もろ、赤点やないかーい!!
「ど、どうすんの!?」
「どうしましょう……」
神にお願い事をするかのように
手を合わせ、瞳に涙を潤ませて
聞いてくる鈴………
いや………………
どうしましょう
とか言われても………。
って…………紀田がいんじゃん!!
悔しいけれど前回の中間で
学年一位だったし!
「ねー、ねー、紀田!!」
隣で机に突っ伏して
寝息を立てている紀田の肩を
思いきり揺さぶるーーー