となりの紀田くん
「落ち着かないなー」
いかにも女の子らしい部屋。
綺麗に片付いていて
小物がピンクなどで
鮮やかに彩られてる
「これは両親との写真か…………?」
机の上に立ててある
写真を手に取り持ち上げる
するとパラッ……
一枚の写真が床に落ちた………。
「何だこれ。」
床に落ちた写真を
拾い上げて見るなり
目を見開く………
その写真には
紀田家と不知火家が
写っていて
俺の両親の顔が
ズタズタに引き裂かれていた。
「裕也………」
不意に後ろから声がして
振り向けばそこには
笑顔の要が立っていた………
「勝手に触ってごめん………でも「いいの…………どうせ今から全てを明かすんだから………」
俺の言葉を遮って
俺の手から写真を取る
「うちの両親、美男美女でしょ?でもね………私たちが小学生のときに他界してしまった………交通事故で。」
顔は笑っているのに
目が笑っていない。
そんな要に少しの
恐怖を覚える…………
「裕也は、いいわよね。甘やかされてなにも知らずに悠々と過ごせて………この6年間、私がどんな気持ちでいたか知らないでしょう?」
ついには笑顔も消えて
恐ろしい形相で
俺を睨み付ける
目の前の女
こいつは一体誰?
俺の知ってる要は
こんな奴じゃない。
「何、言ってんだ?つーか、お前誰だよ」
「豹変ぶりに驚いて、頭おかしくなった?私は不知火 要よ。貴方の彼女の不知火 要」
違う。
こんな奴、俺は知らない。