となりの紀田くん



まず向かった先は
要の家ーーーーーーー





「私の言葉が嘘じゃないって、やっと分かったの?」





そうやって笑う要
前はあんなにも
愛しかったのに
今はそんなこと
微塵も感じない。





「ああ、お前の言葉どころか、全部分かっちまったよ」





「あら、そう?全てを失ったのね……」





「誰かさんのお陰でな。で、要。お前の望みは何だ?」





「望みっていうより、あなたには私の護衛をしてほしいの………別に付き合うって意味じゃないわよ?ただ、私が呼んだら必ず来ること。貴方に幸せになる権利はない。私の傍でずっと孤独に生きればいい。」





「それを守ってやる変わりに………俺の両親には手を出すなよ」






「ふっ、しょうがないわね。」





「それと、もう一つ」





「何?下僕の分際でまだ言うわけ?」





「俺は、この町から出ていく………でも、お前に呼ばれたら必ず行くから。」





それが、せめてもの償い。
ダメな親の変わりに
俺が償うんだーーーーーー





「まあ、いいわ。今の学校じゃ、落ちついて生活出来ないものね……」






誰のせいだと思ってる?
そう言いたいけれど
言うわけにはいかない。





でも、こんなことが
償いになるのならば





いつか自由が訪れるのなら






今は、こいつの下僕でも
生きていける気がする。





いつか来る自由の為に
俺は生きるーーーーーーー
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