となりの紀田くん
*二人と彼女*
*二人と彼女*
"俺はお前が好きだ"
今、そう言ったの?
「ごめん、もっかい言って!」
「はぁあああああ!?」
「お願い!」
「お前なあ………まあ、いいや。もっかい言ってやるよ」
だってだってだって
信じられないじゃん?
「俺はゆあが好き。二回も言わせんなバーカ」
ぎゅっ
と力強く私を
抱き寄せる
「嘘みたい」
「お前、人の決死の告白を何だと………まあ、もとから拒否権ねえけど!」
「拒否権なんていらない!私も紀田が好き!」
「言ったな?もう撤回は出来ないからな!」
「撤回なんてしないもん!」
「さすが、俺の猿。でもさ、お前………俺のこと何とも思わないの?」
「どいうこと?」
紀田の言ってる
意味が分からなくて
首を傾げる
「だから、俺の過去聞いてさ…引いたりしなかったの?」
なるほど、そーいう事ね!
「あー、そりゃ驚いたし、ショック受けたところもあったけど………過去は過去で今は今じゃん?それに今は私がいるし!」
過去を聞いたのは
私の希望でもあったから
でも、過去を
聞いたからって
何も変わらない。
大切なのは今。
どんな紀田だって
私は愛せる自信がある。
だって大好きだから!
「お前、何か勘違いしてるけど、主人は俺だからな?」
「いやいや、主人て何さ!?私をまだ猿扱いする気!?」
彼女になれたのに
まだ猿扱いなんて
虚しすぎる!!
「いいじゃん?俺だけの猿なんだから」
「っちょぉ~/////」
そんなこと言われたら
猿でもいいって
思っちゃうじゃんか……バカ。