となりの紀田くん
私がしゅんと肩を落とすと
鈴が慌ててフォローを入れる
「ち、違うの!ゆあ!」
「いいの……りん。事実だから………」
するとーーーーー
「ハッ………馬鹿は人に勉強を教えることもできねーのかよ」
私を嘲笑いながら
紀田がそう言った
む、ムカつくっ!!
絶対………馬鹿にしてる
いや、既に私を
バカ呼ばわりしてる!!
私は紀田を睨み付け
震える拳をどうにか抑える
「まあ………教えてやってもいいぜ」
え?
いきなりどうした?
さっきまで
めんどくせぇ
とか言ってたくせに……
「どーゆー風の吹き回し?」
眉間に皺を寄せて
訝しげに尋ねる
「だから、教えてやるって言ってんの!素直に喜んどけよ、ばーか。」
あ、いや…………うん。
バカは一言余計だけど
神様…仏様…紀田様………
ありがとうございます!!!
なーんて私が喜んでいるのも束の間
「ただし………一つ条件がある」
紀田は怪しげな笑みを
浮かべながら人差し指を立てる
じょ、条件だと!?