となりの紀田くん




「私ね………あの時、瑠威に好きって言われてすごい嬉しかった。でもね、それが幼馴染みとしてかもしれない………そう思ったら素直になれなくてさ…………」






苦し紛れに話すゆあ。
でも過去の話として
割り切っている様子に
少し胸が痛くなる





なんだ。
両想いだったんじゃん……





「うん。瑠威のこと大好きでした。でもね、今私の中で輝いてるのは、紀田だけなんだ。紀田が好き」





「そっか………そっちも話してくれてありがとう………これからも仲の良い幼馴染みでいてくれるか?」





「もちろん!当たり前だよ!」





笑顔で手を差し出すゆあ。





俺はその手を取り





「宜しく」





精一杯の笑顔で
印を交わす





二人の絆ーーーーーー





恋愛とはまた別の
違う形で積もった絆





それは友情なんて
二文字じゃ表しきれない
くらい大きくて





紀田と俺




それぞれ形は違うけど






それぞれの形で





彼女を守っていこう。





それが今の俺の願い。





瑠威side end
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