となりの紀田くん
*夏休み*



*夏休み*





体育祭も無事に終了し
悲惨なテスト結果が
返ってきた7月下旬





結局、優勝クラスは
お隣の五組で………
私と瑠威はまんまと
紀田classに焼肉食べ放題の
権を奪われてしまった………。





わ、私の焼肉ぅうううう(泣)




しかしそんな私たちも
もうすぐ高校生活二回目の
夏休みです!!!






なのに何だか…………
私の親友の榎本 鈴が
ちょっぴりおかしいんです。





お昼の時も
ボーッとしてるし
なんか心ここに
在らずってな感じで
ずっと上の空。





それがここ最近
ずっと続いていて
思い詰めたように
ため息ばかりついている。






「鈴、最近元気なくない?何かあった?」





そう聞いても





「え、そう?そんなことないよ!」





と作り笑いではぐらかすばかり。






「ねえ、紀田」





「お前いつになったら下の名前で呼ぶんだよ」





不機嫌丸出しな顔で
偉そうに人が作った
弁当を貪り食ってる
この男





やはり殺意がわいてくる
件については否めないな……





「そんなことより最近、鈴の様子おかしくない?」





「そうか?」





「あんた同じクラスでしょ!なんか知らないの?」






「知らね。俺、いっつも寝てるし」






な、なんて使えない男なんだ…
紀田に聞いた私が悪かった。





「使えな………」




「何か言った?」




「いいえ何も………。」





弁当を食うことだけに
集中している紀田を置いて
鈴のもとに向かう





「りーんっ」




「……………………」





「りんっ!」





「へ!?あ、何?」





「お昼だよ!食べよ?」





「あ、うん………」





やっぱりおかしい。
もしかして梓くんと
何かあったのかな…………?
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