となりの紀田くん



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「でねー、あの子実は梓くんの妹でねー、ブラコンなんだって!!………」






満面の笑みで話す鈴様
只今、我が家で夏休みの
宿題をやっております。




といっても
鈴と私の二人だけ
なんだけど………





でも、仲直り?
出来たみたいで良かった。







「ブラコンって………うちのシスコンバカみたいに?」






ゴツンッ






「誰がシスコンバカだ、コラッ」






いきなり頭上に
落ちてきた拳と声。
見上げればそこには
不機嫌面の柚がいて






「いったぁ~!何すんのよ、バカ柚!」






私は叩かれた頭を
撫でながら柚を睨み付ける。






「つーか、鈴さんの彼氏の妹…………俺知ってるよ」






「はぁ?何で?」






柚の言葉に私は
眉を吊り上げる






何で柚が梓くんの
妹を知ってるわけ?






「何でって………同じクラスだから。」






「へぇ………って。ええええええええっ!?同じクラス!?」






「相変わらず声でけえし、うるせーな姉貴は。」






「悪かったわね!」






柚が小バカにしたように
笑うからついつい
ムキになってしまう。






「柚くん、杏里ちゃんと同じクラスだったんだねー」






「そうですよ。一年生にはもう広まってますよ(笑)なんせアダ名がブラコン杏里ですからね。」






ブラコン杏里って………(笑)





「全然知らなかった!」





「私も、この間初めて知ったの。」






「まあ、姉貴たちには妹の存在必死に隠してたらしいし。知らなくても当然じゃね?」






「そうなんだ………何で隠してたんだろうね………」





私の質問に





「え、そりゃ恥ずかしいからでしょ?」





柚が真顔で答える。




恥ずかしいからって………君ね。
君も杏里ちゃんと
同類だからね??うん。





とりあえず今の時点で
私に抱きつくのやめて
もらえないかしら?
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