となりの紀田くん



「あ、てか姉貴、もうすぐ夏祭りだけど………紀田と行かないの?」






「そう言えば、そーだねー。二人は行くの?」





「俺は友達と行くー」






「私は梓くんと行くよー」






「相変わらず二人は仲良しね。それに比べて柚は………ふっ、非リア充め!」





「しばくぞ!!」





「やだぁ、怖いっ」





柚をからかいつつも
ちょっと考える






夏祭りかぁー…………
行きたいな。





去年は海旅行とかで
行けなかったから
今年は紀田と二人で
夏祭りも悪くないよね?





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その日の夜





さっそく紀田に
メールしてみた。





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うちの地元でさ
夏祭りあるんだけど
一緒に行こうよ!


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何て来るかなー?
何て来るかなー?





わくわくしながら
メールが返ってくるのを
待つこと数十分





返ってきた返事は……………







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やだ



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これだった。





は!?
やだって何!?





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は?何で!?



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ダルいから



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意味わかんない!!





これじゃあらちが明かないから
直ぐ様、紀田に電話をする。





「もしも………「やだって何!?」





「うるせぇな、ダルいからつってんだろ。人混み嫌いだし………女がわんさかいやがる」






紀田の言葉を遮る私に
不機嫌voiceでそう言った彼





つまり結局は
私と夏祭り行きたくない
っていう事ですよね?これ。





「紀田のバカ!アホ!ドジ!マヌケ!もう知らない!勝手にしろ!」





「は?ちょ、おい!!」




紀田の声を最後に
私は電話を切った。




凄い楽しみにしてたのに!
ダルいから行かないなんて
あり得ない!!




女子の夢を何だと
思ってるんだ!!




もう知らない!!
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