となりの紀田くん
*闇*
*闇*
深い深い闇の底ーーーーーー
これは夢?
小さな部屋に
閉じ込められている私
そこは真っ暗で………
まるであの日の
残響を思い出させる
ような歪なメロディー
不協和音ーーーーーーー
私は死んだの?
"死んでないよ"
私の質問にどこからか
答えが返ってくる
ここはどこ?
"ここは夢と現実の狭間"
私は生きてるの?
"生きてる………けど"
けど?
"どうやら君は1つピースを無くしてしまったようだね"
ピース?
"あ、ほら。目覚めの時間だよ"
見えない誰かの
存在が消失した瞬間
一筋の淡い光が
私を照らしつける。
薄く目を開けば
白い世界が目に映る
ここはどこ?
そう思って体を起こす
「うっ……………」
ズキッ
起き上がった瞬間
頭に激しい痛みが走る。
「ゆあ!!!」
私を呼ぶ声が聞こえて
痛みで俯いていた顔を上げる
そこには大粒の涙を
ボロボロ溢しながら
私に抱きつく鈴がいて
「鈴………泣かないで」
私は優しく微笑んで
鈴の頭を撫でたーーーーー