となりの紀田くん
「ちょ、やめて!!降ろして!誰かに見られたら恥ずかしい!」
「残念だったな、生憎………俺たちしか残ってないんで」
悪魔スマイルを浮かべて
歩き出す紀田ーーーーーーー
あれ?なんか懐かしい気が………
ズキンッ
いたっ……………
何、今の?
一瞬、頭に痛みが…………。
気のせい?
ーーーーーーーーー
「あのさ…………」
紀田の隣を歩きながら
でも顔は向けずに
話しかける
いやー、とりあえず
お姫様だっこやめて
もらえて良かった。
まじ、門の外まで
お姫様だっこされてたんじゃ
まわりにジロジロ見られて
恥ずかしいったらありゃしない。
「あ?」
彼の不機嫌voiceは
いつものことなんだろうか?
少しそんなことを
不思議に思いながら
「あのさ、ごめんね」
今度は紀田の一歩前に出て
顔を見て謝る
「何が?」
「病院で酷いこと言っちゃってごめん」
「別に…………しょうがねえだろ。無くなっちまったもんは、無くなっちまったんだしさ…………」
「うん、ごめん。…………でもさ!!!ちゃんと思い出すから………紀田の為にも」
「バーカ」
ベシッ
急に額にヒリヒリと
痛みが走る
デコピンされた!?
「人が真剣に話してるのに、いきなり何すんのよ!?」
おでこを擦りながら
涙目で紀田を睨み付ける。
「無理に思い出さなくていい」
「はっ?何で?」
「だってさ………また俺がお前を堕とせば良いだけだろ?簡単だよ………また惚れさせてやるから」
カァアアアアアッ//////
やばい、私……顔熱い。
「また俺にゾッコンな、内倉 優亜に戻してやるよ………覚悟しとけよ?まあ、記憶があろうが無かろうが………いつだってお前に拒否権はないけどな」
な、なにそれ!?
「な、何様のつもり!?」
「んー、俺様?」
なんて言いながら
私のほっぺにキスをする。
ーーーーーーーーーーーっ!?
なにこいつ!!
勘違い妄想性悪変態男だよ!!
「好きだ」
内倉 優亜17歳
一日に二人の男性から
告白されましたーーーーー