となりの紀田くん
「お前らさっきから密着し過ぎなんだよ」
確かに梓くんとの距離は
近いけれども………
近づかないと、ひそひそ話
出来ないじゃないか
「そ、そうかな~?」
しかし、ひそひそ話をしていた
何て言ったら、間違いなく
詮索される………
それは困るので誤魔化しておく。
「お前には…危機感ってゆーものが無いんだよ」
「危機感?」
いきなり何を言い出すんだ…
「だから…俺以外の奴に隙見せんなっていってんの」
いつもはーーーーー
無表情か
馬鹿にするか
呆れるか
悪魔な笑みをするか
ーーーーーの4択なのに
どこか困ったような
焦ったような顔で
真剣に私を見据える………
え?
なに………これ?
けれどそんな彼の表情は
たったの一瞬の出来事で
すぐさま悪魔な笑みを浮かべ
私の耳元に顔を近づけて囁く
「お前に触れていいのは俺だけ…」
なっ///////
なんて事をぬかすんだバカ///
鏡で確認しなくてもわかるくらい
私の顔は耳まで真っ赤に染まった。