となりの紀田くん



「好き…だよ」



「なら俺といるのに俺以外の奴のことなんか考えるなよ!!」



あ…………



「もう一度改めて言う」



瑠威が真剣な瞳で
私を捕らえた瞬間



ブワーッと


風が通る。



周りには誰もいなくて
吹き荒れる風だけが
私たちを包む………



そんな私と瑠威に
気づかない薔薇ちゃんたちは
先へ先へと進んでゆく。




二人だけの空間が
そこにはあって



瑠威が言おうとしている
言葉に私の心がざわめく。



「俺は、ゆあが好き。だから付き合って?」



疑問系に聞いてくる
その感じが余計に
恥ずかしさを増し
一気にヒートアップする
私の顔ーーーーーーー




「わ、私も……瑠威が好き。よろしくお願いしますっ」




その瞬間



思いきり抱き締められて
瑠威の唇が私のに重なる。



誰かと違って
触れるだけの優しいキス



その誰かって?



そんな疑問さえ
かき消すほど
今のこの現状が
ただただ嬉しくて



何度も唇を重ねあったーーー
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