となりの紀田くん
「はよ…」
突然声が聞こえて
後ろを振り向くと
相変わらず
仏頂面の紀田が
偉そうに突っ立っていた。
「おはよ。」
私がそう言うと
ポンと私の頭を叩いて
教室へと入って行った。
「じゃあ、そろそろチャイム鳴るから、私も教室入るね!!」
「うん!!」
私も鈴と別れて
自分の教室へと入った。
ふと瑠威と目が合い
ドキッと胸がなる
すぐさま視線をハズし
そそくさと自分の席へ着いた。
正直かなり気まずい。
でも自分の気持ち
ちゃんと伝えなきゃ。
下ろした腰を
もう一度奮い立たせて
瑠威のもとへ歩み寄る。
「瑠威…」
彼は静かに顔を上げたーーー。