となりの紀田くん



「話したい事があるの。だから24日のイブ予定、空けといて…。」



それだけ言って
私はまた自分の
席へ戻った。



ーーーーーーー



放課後


ボケーっと窓の
外を眺めていたら


鈴と梓くんが
私の教室にやって来た。



「あれ?二人とも帰らないの?」


「一緒に帰ろうよ!」


鈴が笑いながら
私に腕を絡める



「せっかくだけどごめん!いろいろ考えたいことあるから…二人で帰って。」



絡まる鈴の腕を離し
精一杯の笑顔を向ける。



「そっか…。分かった。」




心配そうな顔をする
鈴を笑顔のまま見送った後
自分の席に腰を下ろした。



なーんで、こんなことに
なっちゃったんだろうな…



修学旅行なんて
行かなきゃ良かった。



そう思った瞬間


ギュッと後ろから
誰かに抱きしめられたーーー。
< 341 / 370 >

この作品をシェア

pagetop