となりの紀田くん



無我夢中で走って走って
タクシー乗れば速いのに
それすら頭に無くて



赤信号を待つのさえ
今はもどかしい



何個目かの信号を
こえて交差点の
信号に引っかかった。



早く…はやく!!
早く青に変わって!!



じゃないと紀田が…



上を見上げると
赤く光っていた
ランプが青に変わる



それと同時に
私は走り出した。




けれどーーーーーー



「危ない!!」



という声と共に
私の体は宙に浮かび
地面へと落ちる…



嘘…私、轢かれたの?



私を轢いた車は
慌てて逃げ去って行った。



こんなところで
横たわっている
場合じゃない



早く紀田のとこに行かなきゃ…



挨拶する前に
バイバイなんて嫌だよ



紀田の顔がみたいーーー。



気づけば周りには
野次馬が集まっていて



ピーポーピーポーと
救急車のサイレンが鳴る



そこで私の意識は
途絶えたーーーーーー。
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