となりの紀田くん
~♪~♪~♪~♪~♪
「………………んん…」
携帯の煩い着信音によって
目が覚める………
時刻はPM 12:00
携帯を取り画面を見ると
"りん"と表示されていて
私は「………もしもし~」
と電話に出る
「は?何?今起きたのかよ?」
「え!?」
ボトッ
私は相手の主の声に驚いて
思わず携帯を落としてしまった。
え?鈴からの電話だよね!?
なんで……なんで紀田が出るの!?
私は落とした携帯を拾い上げ
再び耳に当てる
「おい、何か言えよ」
あからさまに不機嫌な
紀田の声が電話越しに
聞こえてくる………
「な、なんで!?鈴からの電話にあんたが出んのよ!?」
「はぁ?お前が"明日も"とか言うから、みんなでお前ん家の前にいんだけど……」
「あ…………」
そういえばそんなこと言ったっけ。
それにしても昨日あの後大変だったなー………柚に紀田と梓くんのこと根掘り葉掘り聞かれるし………
まあ、適当に誤魔化したけど。
私が昨日の回想に浸っていると
「あ…………じゃねぇよ。10分以内に出てこい………1秒でも遅れたらどうなるか分かってるよな?」
紀田がドスの効いた激しく低い声で電話越しからでも分かるくらい
黒いオーラを放っているではないか
「はい……すいません」
ひぇー………恐ろしい
しかし10分って無理あるだろ?
女性を何だと思ってるんだあいつは。
電話を切って、ぶつぶつと文句を垂れながら、それでもなるべく急いで準備をした。