となりの紀田くん
「わー、すごい人の数」
「当たり前でしょ、ゆあ」
声のした方へ視線を移すと
そこには笑顔の鈴がいた。
「りん~っ」
私は鈴に思いっきり抱きついた。
「はいはい、よしよし。じゃあ、クラス表見よっか」
鈴の言葉に頷いて
クラス表の場所まで
一緒に向かう。
えーっと……
あった!
1年3組の枠にしっかりと
自分の名前が載っている
続けて下をみると
鈴の名前も載っていた。
「りんっ、クラス一緒だよっ」
「本当だ!宜しくね」
「こちらこそ、よろしくっ!」
鈴とは中1のとき仲良くなって
ずっと同じクラスで過ごしてきた
まさか高校でも一緒に
なれるなんて思ってなかったら
嬉しくて、ついはしゃいでしまう。
そこへ「邪魔」と一言
冷たい空気が流れた。