となりの紀田くん



「わ!もう外、真っ暗!」



「本当だ…」



「早く帰らないと柚に怒られる!」




親は放任主義だから
家には特に門限とかは
ないのだけれど………




柚が勝手に私の門限を決めて
それを守らないとすぐお説教



昔は柚の方が小さかったから
適当にあしらったりしていたけど
今ではもう私よりも大きく
なってしまって…………




本当、厄介な弟だよ……




「柚って………ああ、あのシスコンバカか」



「そう………だから梓くん帰ろ!」



「うん、帰ろっか」



「じゃあ俺も送ってく」




三人で慌ただしく支度を済ませ
紀田家を後にしたーーーー




駅について改札を通る……




「………って何であんたまで改札通ってんのよ!?」




「はぁ?送るって言ったろ?」



「いやいやいやw え!?どこまで来るつもり?」



「もちろん、お前ん家」




もちろん…………
じゃないでしょうが!!!



「い、いいよ別に!梓くんいるし」



ピリリリリッ



急に携帯が鳴り、立ち止まって
梓くんが電話に出る




誰と話してるんだろう?
そういえば………梓くんって
彼女とかいるのかな?




ふとそんな考えが頭を過る。




電話を終えた梓くんが
申し訳なさそうに



「ごめん、僕用事出来たから……○○行きの方に乗るね。またね、ゆあちゃん」




天使の笑顔で華麗に
去って行く梓くん………




ってぇえええええええぇっ!?




まさかの紀田と二人きり!?
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