となりの紀田くん



そんな私の鼓動の高鳴りは
止まずに気づけば家に着いていた




「あ、ありがとう」




それだけ言って
家に入ろうとするが




紀田に腕を掴まれたことによって
私の行動は阻止される





「な、何?」




「俺、言ったよな?」




「何を!?」




さっきの優しさが
まるで嘘のように
いつもの悪魔スマイルで
掴んだ腕を引き寄せるーーー




「1秒でも遅れたら………どうなるかわかってるよな………って。」




そう言うや否や
強引に私にキスをする



それも激しく………



息を吸おうと口を開けば
見事に舌が入ってくる




「………んんっ/////…」



苦しくなって紀田の胸板を
叩くと………やっと唇が離れた。




「ゆあ……顔真っ赤………。可愛いよ」



「う、うるさい////!!」



悪魔スマイルのくせに
可愛いなんて言うなよ!!



紀田のばか!!
いつもは貶すくせに!!



心では悪態をついても
それとは正反対に火照る体



このままじゃ……
誘惑に負けて…………



紀田変態ワールドに
引きずり込まれてしまう!!!



私は紀田を突き放して
「紀田のばかっ」と
捨て台詞を残して
家の中に逃げた………




「………だよ。ゆあ………」



紀田が何か言っていたけれど
聞こえなかった………



ああ、もう!!!
私のバカっ!
やっぱり一人で帰るべきだった!



「おかえり~」という母と柚の言葉を無視して私は自室のマイベッドへと倒れ込んだーーーーー

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