となりの紀田くん
*デート*
*デート*
地獄のテスト期間を終えて
ついにやって来たテスト返却
「内倉ー」
「はい」
教卓まで足を運び
回答用紙を貰う。
「さすが内倉だな。次も頑張れよ」
"95"
ふんっ
まあ、こんなもんでしょ!
私は鈴にVサインをする。
「はい、次。榎本ー」
「は、はい。」
不安げな顔をして
席を立つ鈴に
「鈴なら大丈夫!」
とガッツポーズをする
鈴は恐る恐る教卓へと
近づきながら回答用紙を受け取る
受け取るなり目に涙を浮かべ
戻ってくる鈴ーー…
まさか………赤点??
「み、見て!ゆあっ」
涙目のまま私に
回答用紙をつき出してくる
"87"
何度目を凝らして見ても
鈴の回答用紙には87の赤い
文字が刻まれている
「さすが私のりんっ/////」
私は鈴に思いきり鈴に抱きついた。
そしてすぐさま隣で
突っ伏している紀田を
叩き起こすーーー
「ああ、もう、うっせーな。何だよ?」
「ほら、見て!」
「へぇー、やるじゃん」
あまりの驚きに目を丸くしながら
そんなことを言う
するとちょうど紀田の
名前が呼ばれた
紀田は返事もせずに
回答用紙を取りに行き
無表情で戻ってくる。
もしやこれは
私の勝利確定か!?
「き、紀田!何点だったの?」
「ゆあが教えたら…教えてやるよ」
ほんっと憎たらしくてむかつく!
とくにこの上から目線が!!
でも、そうやって言うのは
自信が無いから……だよね!?
「95点」
そう言って自分の
回答用紙を見せる
すると紀田がいきなり
「……プッ………ププッ」
失礼極まりない
バカにしたような
笑いを溢したーーー