となりの紀田くん
*デート*



*デート*




地獄のテスト期間を終えて
ついにやって来たテスト返却




「内倉ー」



「はい」




教卓まで足を運び
回答用紙を貰う。




「さすが内倉だな。次も頑張れよ」




"95"



ふんっ




まあ、こんなもんでしょ!




私は鈴にVサインをする。




「はい、次。榎本ー」



「は、はい。」



不安げな顔をして
席を立つ鈴に
「鈴なら大丈夫!」
とガッツポーズをする




鈴は恐る恐る教卓へと
近づきながら回答用紙を受け取る




受け取るなり目に涙を浮かべ
戻ってくる鈴ーー…



まさか………赤点??




「み、見て!ゆあっ」



涙目のまま私に
回答用紙をつき出してくる



"87"


何度目を凝らして見ても
鈴の回答用紙には87の赤い
文字が刻まれている




「さすが私のりんっ/////」




私は鈴に思いきり鈴に抱きついた。





そしてすぐさま隣で
突っ伏している紀田を
叩き起こすーーー




「ああ、もう、うっせーな。何だよ?」



「ほら、見て!」



「へぇー、やるじゃん」



あまりの驚きに目を丸くしながら
そんなことを言う




するとちょうど紀田の
名前が呼ばれた



紀田は返事もせずに
回答用紙を取りに行き
無表情で戻ってくる。




もしやこれは



私の勝利確定か!?




「き、紀田!何点だったの?」




「ゆあが教えたら…教えてやるよ」




ほんっと憎たらしくてむかつく!
とくにこの上から目線が!!




でも、そうやって言うのは
自信が無いから……だよね!?




「95点」



そう言って自分の
回答用紙を見せる



すると紀田がいきなり



「……プッ………ププッ」




失礼極まりない
バカにしたような
笑いを溢したーーー

< 47 / 370 >

この作品をシェア

pagetop