となりの紀田くん



その後もたくさん
紀田を振り回し
一人ではしゃぐ




紀田の顔は完全に
疲れきっていた



「紀田ー。死んだ魚みたいな顔してるよ?」




「お前のせいだろうが!!!」




私の一言に声を荒げるが
全然怖くない………





だって顔が死にかけてるから(笑)




「じゃあ、ちょっと休憩しよっか!」



無言で頭を縦に振り続ける紀田に




どんだけ疲れてんだよww




と心の中でツッコミを入れる(←お前のせいだ)




近くにあったお店の
席を借りて座るなり
紀田がテーブルに突っ伏した。




「紀田……ごめんね?」





さすがにちょっと
可哀想だったかなと思い
素直に謝ってみる




「何が?」




突っ伏した状態で
顔だけを私に向ける




「いやー、ちょっとはしゃぎすぎたな………と思って」




「ったく、しょうがない奴だよな。オス猿がオスゴリラになった瞬間だわ………まじで。」




んのやろう!!!
人がせっかく素直に
謝ってんのに!!!




「誰が、オス………「でも…」




私が文句の1つや2つ
垂れてやろうと口を開くが
紀田に遮られる………





嘲笑うわけでもなく
悪魔スマイルでもなく




今まで一度も見たことない
少年の笑顔で




「お前が楽しいならいんじゃね?」




なんて言うから………ほら………




また私の心臓が騒ぎだして
しまったじゃないか………。
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