となりの紀田くん



教室について決められた
座席に腰を降ろす



それに続いて鈴も
私の後ろの席に腰を降ろした。




私と鈴の頭文字は
“う“ と “え“ だから



こういうときはいつも
前後になる。




隣の席にも視線を移すが
まだ来ていないみたいだ…




後ろを向いて鈴と話し始める



数分して



キーンコーンカーンコーン



チャイムが鳴り響いた。




ガラガラッ


扉が開くのと同時に
金髪のサラサラな髪を
ふわっとなびかせ



さっきのイケメンくんが
姿を現した。




その後ろには担任であろう
先生が立っている。



「紀田の席あそこな」



「はい」




先生が指差す先には
間違いなく私の隣の席がある。




私は驚いて辺りを見渡すが
何度何回見ても空いてる席は
隣しかなくて……




そんなことをしているうちに
彼は私の隣の席に腰を降ろした。




「はい、じゃあ俺が3組担任の尼川 秋な。んー、細かな説明だるいから放送入ったら行くぞ」




なんて適当な先生なんだ………



そんなことより隣のコイツ……
やっぱどう見てもイケメン




私が再度見とれていると



「なに?何か用?」





不機嫌丸出しな声で
そう聞いてくる。
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