となりの紀田くん



「紀田と要さんて、どんな関係なの?」



疑問をストレートにぶつける




これを聞いてしまえば
間違いなく傷つく………




けど知りたいよ……




紀田のこともっと知りたい




なのに彼は




「お前には関係ない」





さっきの優しい声とは
うって変わった低く冷たい声で
そういい放ったーーーーー




「なんで………なんで教えてくれないの!?要さんは紀田の何?友達?恋人?」




自分でも引くくらい
重いと思うけど
私の想いは止まらない





するとーーーーー




「だから……お前には関係ないって言ってんだろ!!!!」




紀田が大声で怒鳴った。




私はびっくりして一瞬固まるが




「関係ない………?関係なくないよ!!!私は紀田が好きなんだよ………気づけよ、ばか!!!」




気づけばそんなことを
口走っていた。




そして言った後で後悔する




勢いに乗せて
何、言っちゃってんだ私




こんな素直じゃない
なんのムードもない告白とか
カッコ悪い………自分




紀田は驚いて目を見開くだけで
何も言わない………




私はその空気に
耐えきれなくなって
さっき来た道を
戻るべく走り出した。




もうやだ………




穴があったら入りたい………
むしろこのまま死んでしまいたい。





ーーーーーーーーー






海の方まで戻ってきた私は
砂浜に体育座りする。





「ゆあちゃん………だっけ?」





後ろからいきなり声がしたので
振り返るとそこには昴さんがいた。





「そうです。……あなたは、すばるさん………でしたっけ?」





「そうだよ……」




昴さんが私のもとに
近づいてきて
隣に腰を降ろす………

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