私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。
◇◇◇
「ただいま、戻りました」
『葵ちゃん、お帰り暑かったでしょう。配達ありがとう、店長ー』
「葵ちゃん、ありがとうご苦労さまね。待ってたのよー、間にあって良かったぁー」
どうしたんだろう、何かあった?
私、何かやらかした?心が不安に、なる。
店長の顔が急にパット笑顔になり
宝木さんから電話があって
宝木さん?
あのイケメンさんの宝木さんよ!
うんうん言いながら、
「宝木さんから電話があってね、あーと30分くらいしかないわ、葵ちゃんにいつもの花束をお願いしたいとご指名なのよー」
店員が『ご指名』なんて強く言ったものだから、さとこさん、静さん、今日子さんも一斉に『ご指名』笑顔でちゃかす。
私はその言葉に反応するように、体の中から何かの熱が湧き上がり、ユラリとまるで蒼い炎を感じた。