私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。
『でも社長が花ですか?』
俺が花を見ていたらおかしいか?
『いえ、私が言いたいのは花の先の誰を見ているのかと、高久工業のことは心配しておりません。もう一つのほうが少々心配ですが』
なんて事を言うんだよ。
右手で額を押さえながら溜息一つ。
『りんどうですね、花言葉はご存知で?花言葉は勝利です、縁起がいいですね』と社長と言いながら竹井はニット俺を見て時計を確認する。
では、時間です。
俺はネクタイに指をかけ、気持ちを引き締める。
「行こう」我社の未来へ
週末は彼女の笑顔に会いに行こう。