私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。
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 『葵ちゃんが写ってる』

 振り向けばそこに店長が私に顔を向けとびきりの笑顔で見つめている。

 嫌な予感!

 とびきりの笑顔で私を見つめ、口元をニヤッとしたと思ったら大声で。


 『葵ちゃんが、宝木さんとー』

何を急にとお店にいた3人は何事かと事務所に入り、店長がパソコンの写真を指差し、「見てみてここ」なんて言っている。


 皆それをジッと見つめ、キャ~と一斉に大声で喜び、花が写っていただけなのに、大騒ぎ。


 みんなで手をパンパンと叩きながら飛びはねる。

 チョット、チョット何を勘違いしているのでしょうか?とツッコミたくなって、私も苦笑い!


 でも小さな出来事でまるで自分のことのように、喜んでくれる、あったかい場所。

 ここはいいなぁ…

 さっきまでちょっとシュンとしていたのに温かさが私の中からジワジワと流れはじめていく。

 それが嬉しくて、恥ずかしくて


 気づかないうちに、守られて来た
 


。 
 また、大声で「キャ~」と


慌てて何事がと皆で店に戻れば、そこに目を大きく開てビックリした宝木さんが立っていた。


 店長が慌てて申し訳ございませんと頭をさげ、宝木さんもいえいえと顔の前で手をふっている。


  ……さとこさんは、うわさをすればなんとやら……


 なんて言葉にしたものだから
宝木さんが『え!』と首をかしげる。


 まだ後ろで今日子さんと、静さんはキャッキャッと騒ぐしまつ。


……私はどうしたら……まぁいっか(笑)

 これがこの店のいい所


 なんだか笑うしかない、とりあえず笑っておこうかな!


 







 









 

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