私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。
「失礼いたします」
部屋の正面のソファには背筋をピンと伸ばし、薄紫の着物に古典柄をあしらった、何とも素敵なおばあ様がいらした。
とても澄んだ声で「ここにお花をお願いします」
右手の平でテーブルを指し、私は一礼して、後ろのドアがパタンと閉まる音がしたので振り向くと、宝木産の姿あり驚いてしまった。
あれ、店長もいない……
私は急に不安になりオドオドして、どうしょう!!と
一層不安に陥っていく。