私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。
  あれは何年前だったか、高校の同級生にどうしても合コンに参加して欲しいと説得され、その場の雰囲気で同じ年の男性と連絡先を交換し、何度かデートを重ねてきた。

  11月の終わりごろ花屋ではクリスマスシーズンに向けて忙しくなり、私の手荒れも始まってきた。

 職業病だと、たいして悩みもせず、それでも彼とのデートの前日は念入りに手のケアをした。


  12月の初め、久しぶりに彼とのデートで何となく手を繋ぎ、彼が私の手を取った時ギョッとした顔で私の手を見て『パット』離した。



まるで恐ろしい物でも見たような目だった。





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