私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。
スッと黒の見慣れた車が庭に入ってきて。
えっ…
運転席からゆずるさんが右手を上げながら「おはよう」と笑顔で私に向かって歩いてくる。
助手席からはお祖母様まで。
私は驚きと、夢?と思いながらその場でボーと立ち尽くし、ゆずるさんが私の頭に手でポンポンとなでる。
その仕草でスッと目から何がが流れ出し、ゆずるさんがビックリした顔で、
「ごめん、一分でも早く会いたかったから」
昨日の夜の電話の会話では何も言ってくれなかったのに、イジワル。
でも、「うれしい」とゆずるさんの胸にそっと顔を沈めた。