私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。

 迎えに来てくれたことには感謝しかない、昨日必要な荷物をあれこれ考えていたら小型のキャリーケースになってしまったから。

 ゆずるさんは"旅行にでも行くのか?"なんて聞いてくるから中身を説明したら思いっきり笑われた。

 「だって仕方ないでしょ、女性としては必要なんです」

ちょっと拗ねるように言った。

 特に夏は。

 ワンピース、くつ、タオル、制汗剤、など、好きな人の前では暑くても綺麗でいたい。


 ゆずるさんがとりあえず、ラフな服装でいいと言うので水色のTシャツと夏用ジーパンに急いで着替えた。


 そういえば、私スッピンだったんだぁ〜とショックで頭がガクッと溜息。

 メイクをしてもあまり変わらないけど、それでもスッピンは勇気が必要で、ゆずるさんはどうおもったかなぁ〜。


 でも、本当に嬉しい、来てくれてありがとう、心のなかで呟く。



 いつのまにかお祖母様は父と一緒に夏野菜を収穫に行っていた。
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