私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。

 トイレからお店に戻ろと歩き出したとき、不意に後ろから声をかけられた。


 でも、きっと私ではない。

  「……葵」
 

今度はハッキリ聞こえた。


 この声、忘れたはずの声





 背中に冷たいものが走る。

 「葵、葵だろう」


 振り向くのが怖い、なんでこんな所で、それも今日なの。



 


 
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