私の…手…! プロポーズは大好きな花に囲まれて。

 一面、真っ白な雪景色のよう。

 「キレイ、こんな景色見たことない、かすみ草の花畑なんて素敵」

 私は目をキラキラさせていた、生まれて初めて見た、景色と空間。

 「本当の目的は葵をここに連れて来たかった。写真より凄い、想像以上だ気に入ってくれたか?」
 
 「はい、こんな場所があるなんて、ありがとうゆずるさん、ライトアップされたかすみ草がこんなにも綺麗なんて想像出来なかったです」

「素敵な所なのに他だれも居ませんね」
 
 「誰にも邪魔をされたくなかったから、俺達だけの貸し切りだよ」


 私はビックリして「えっ]と小さな声を出す。
 
  
 毎日忙しくそれでも私を喜ばそうと色々考えてくれて、益々体から思いが溢れていく。

 心が優しさで埋め作られて…


ゆずるさんは私の手をとり真っ直ぐかすみ草の真ん中へ歩いて行く。


 
  花に囲まれいる。

 まるで、夢の中、物語の一部。
 
  誰もいない、二人だけの場所

  風がふあっと吹き、かすみ草がそっと揺れる、ゆずるさんはとても真剣な顔で私を見つめている。


 何か言葉をと思った時、ゆずるさんはスーツのポケットからワインレッドの四角い箱を取り出した。
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