捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
仕事復帰を果たし2ヶ月が過ぎた。

循環器外来に来月から新しい医師が来ると言われた。

今いる高梨先生は山梨の分院に転勤になり、新しい医師も本院に転勤になったみたい。

医師といえど所詮雇われている身。
転勤もある。

高梨先生は穏やかな先生だから新しい医師も穏やかだといいなぁ。

外来看護師の間ではどんな人が来るのか興味津々だった。

高梨先生の送別会も外来スタッフで行われた。
高梨先生はスタッフからの信頼も厚く、病棟でも送別会が開かれたりしており人気の高さが現れている。
外来での送別会は子連れ参加OKとのことで私は智也を連れて顔を出しに行った。

初めての大人がたくさんなのに智也は大人しくしており、みんなに交代で抱っこされていた。
今日来た中で最年少のためみんなに可愛がられていた。

「中山さん!智也くんイケメンね〜」

「え?そうですか?ありがとうございます。」

「智也くん!」
名前を呼ばれると手を挙げてアピールする。

その姿におばさま方はメロメロになっている。
 
小さな子って何をしても可愛がられて羨ましい。

その時高梨先生が挨拶に立ち上がった。

「皆さん、今日はありがとうございます。山梨に行きますが東京とは近いのでなにかと顔を出すかと思います。これからもよろしくお願いします。」

「お疲れ様でしたー。」

みんなで杯を交わした。

「私の代わりに来月から働く先生を紹介したいと思いますが、ちょっと遅れてるようです。あとで改めて紹介しますが、もともと本院で2年前まで働いていた星川先生がこの度ボストンから戻られます。みんなも覚えているかな?」
 
星川先生?!
昌也のこと?

マズイ、こうしてはいられない。
会いたくない!

私は明日もあるので…と智也を抱き、高梨先生にお礼を伝え会場を足早に出た。 




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