捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
翌日外来の師長に循環器から担当を外れたい旨相談した。
まだ働き出して2ヶ月。やっと慣れたところだし、人間関係も悪くない。

けど、昌也のもとで働くことなんて出来ない。

「どうしたの?循環器は嫌?」

「いえ、そういうわけではないのですが…ダメでしょうか?」

「何かあるのかな、と思って…。」

「すみません。人間関係とかは全く問題ないんです。個人的な都合だけなんです。」

「そう…。今すぐ、は無理かな。循環器をみれる人がいなくなっちゃうから待ってもらえる?」

「どのくらいですか?」

「1ヶ月は待ってくれる?」

「…」

いつかは同じ病院にいる限りは会ってしまうだろう。
気まずくなるのはわかっている。
それに彼は病院に必要な人間。
私はその他大勢の看護師。
私が去るべき…
本当はもっと早く決断すべきだったわ。

「すみません。1ヶ月後に退職を希望します。」

「どうしてそうなるの?」

「申し訳ありません!本当にすみません。」

「中山さん、お子さんいるし簡単に決めたらダメよ。」

「でも…子供のためとはわかっていますが、どうしても譲れないこともあるんです。」

「だから理由を教えてくれない?」

「すみません。」

「そんな簡単に決めちゃダメよ。一度家でゆっくり考えてみて。」

「…」

肩を叩かれ、師長は行ってしまった。
< 25 / 103 >

この作品をシェア

pagetop