捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
週末、真帆が遊びにきてくれた。

「ともくーん!元気だった?」
真帆が抱きあげるとキャッキャと声を上げる。

「まーまーまー」

「そーだよ。まほちゃんだよ。」

「まーまーまー」

「ともくん天才!!!まほちゃん、だよ。」

「千佳〜、ともくんはどうしてこんなに可愛いんだろうね。」

「親バカじゃなくて真帆バカだよ。真帆は甘いんだから。いつもおもちゃやお菓子ありがとね!」 

「いいのよー。ともくんに喜んでもらえるならなんでもしちゃう。」

「ふふふ。真帆ったら。」

「明後日からでしょ。少し気持ちは落ち着いた?」

「全然。もう会いたくないから逃げ回るつもり。向こうからの気まずい顔も見たくないし。」

「ま、あと2週間だからなんとかなるよ。それより次の仕事どうするの?」

「そうだね。また保育室のあるところにしようと思ってるの。近場でもいくつかあるからなんとかなるはず。いくつものことをこなせないから辞めてから次の就職先を探す予定。」

「面接の時とかうちのお母さんに頼んであげてよ。千佳が働き出してからともくんに会えないって泣いてたから。」

「いいのかな?頼んでも。」

「もちろん。ともくんのばぁばだと思ってるから。」

「嬉しいなぁ。唯一の智也のおばあちゃんだから。」

「泣いて喜ぶよ。私に期待されなくて私も助かるし。」

「智也、例のアレ見せてあげようよ!」

真帆が智也を抱いたままで私が声をかける。

「中山智也くーん!」

「あい!」

手を挙げる智也の姿に真帆の目がうるむ。

「ともくん…まほちゃん感激して泣きそうよ。すごいねぇ。上手だねぇ。」

「あい。」

真帆は智也を高い高いしてあげるとまたキャッキャと喜んでいる。

真帆がその後もたくさん遊んでくれ、智也は大満足の週末だった。


< 28 / 103 >

この作品をシェア

pagetop