捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
智也が生まれて初めて熱を出した。

智也は生まれてから鼻水が出るくらいで熱というものは出したことがなかった。

丈夫な子だなぁって思っていた。

なのに急にぐったりし始め、熱は40℃を超えていた。

慌てて私は水分を取らせたり冷やしたりしていたが下がる気配はない。

日曜のため小児科にかかることもできずどうしようかと悩んでいた。

そんな時、急に智也の身体が硬直し痙攣が始まった。

看護師とはいえ痙攣を見るような職場ではなくあまり経験はなかった。

基礎知識としてひとまず横向きにして様子をみて、時間を測る…が全然終わらない。

こんなに長いの?!

流石に5分を超え、もうダメ、と思い慌てて救急車を呼んだ。

救急車が到着する頃には痙攣がおさまり、硬直も取れて来ていたが病院へ搬送された。

智也は結局8分も痙攣していた…。到着すると救急の医師に診察をしてもらうが今のところ様子を見るしかないとのこと。

次にもし痙攣が始まったときの座薬を処方された。

痙攣のあとだからなのか智也はグッタリしていて反応が鈍い。

解熱剤も無闇に使っていいことはない。

智也のためにもクーリングで様子を見てあげるしかない。

痙攣は何度も繰り返すようなら一度脳波をとった方がいいと言われたが初めてなので様子を見よう、と。

子供の初めての熱は突発性湿疹が多いので熱がそろそろ下がってくるはずだし、そのあと湿疹が出てくれたら安心なんだけど、と言われた。

昨日までは何も変わることなく元気だった、
と思う。

私が智也をきちんと見てなかったのかも知れないと思い、何か兆候が掴めなかったのではないかと悔やまれる。

こんな時にお母さんがいたら相談できたのに…。

私は寝てる間にまた智也が痙攣していたら、と思うと怖くて眠れない。

少しも離れていられなくなった。


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