捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
「智也、どうだ〜?」

智也は返事をする元気はないみたいだがじっと昌也を見ている。

さっきまでゴロンとしていたのに今は身体を起こせるようになっていた。

昌也に手を出し抱っこをせがむ。

昌也はすぐに抱き上げ抱っこをしてあげる。
「少し軽くなったのかな。辛かったなぁ。頑張ったな、智也。」
背中をさすりながら話している。

「智也はジュース飲ませてる?」

「うん。りんごとブドウは飲んでるよ。」

「よかった。リンゴジュース持って来たんだよ。」

「智也、飲んでみるか??」
智也を片手に抱き、コップにジュースを注ぐ。

1歳をすぎ、だいぶ重たくなってきたのに昌也は簡単に片手で抱っこしてる。

智也を抱き、ジュースを飲むと昌也の胸に顔を埋めウトウトする。

「千佳。俺が見てるからお風呂入って少し寝て来なよ。俺がついてるから。」

「何言ってるの。昌也仕事帰りじゃない。なのにそんなことダメ。明日のためにも帰って。」

「千佳は24時間だろ。少し気を休めないと共倒れになる。俺は大丈夫。千佳の体の方が心配だよ。」

「昌也。」

「ほらほら、早くして。」

「う、うん。」

私はシャワーを浴びに洗面所へ向かった。
鏡を見るとクマができ、少し痩せたように見える。

私はシャワーを浴びスッキリした。

昌也は智也を寝かせ、またご飯を作っているみたい。

「千佳。煮込みうどんだよ。一緒に食べよう。」

「うん…」

昌也は優しい。
付き合っている時もこうだった。
いつも自然体で、さりげなく私の気持ちを汲み取ってくれる人だった。

私たちの歯車が狂わなければ昌也と結婚したいと思っていた。

そんな気持ちを思い起こさせた。

少しずつ狂い始めた歯車が元に戻ることはあるのだろうか。

いいことばかり思い出してしまってるだけじゃないのか。

ふとした時にまた今回のように歪みをうむのではないか。

智也は昌也に何かを感じるのかすぐに甘えた。

昌也もすんなりと智也を受け入れた。

昌也にとっては驚くべきことだったはずなのに。

まさか自分に子供がいるなんて思いもしなかったはず。

それなのに私が勝手に産んだことも怒らなかった。

他の人の子だと疑うこともなく受け入れた。

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