捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
「千佳は本当に昔から頑張り屋さんだよな。仕事をしてる頃からずっと思っていたよ。」

「そんなこと…」

「そんなことあるよ。千佳は頑張り屋さんだよ。だから疲れすぎちゃうことがいつも心配だった。少し頼ることも知って欲しいと思ってた。でも俺が頼りなかったからだよな。俺に頼りたいと思えなかったんだよな。」

「そんなことない。」

「頼って欲しい。言わないとわからないことだらけのダメなやつだけど、頼って欲しいんだ。」

「私ね、両親が離婚してるし今はもう疎遠なの。だから自分がなんとかしないとっていつも思ってた。だから昌也が頼りないんじゃなくて、私の性格なの。」

「ご両親と疎遠なの?」 

「うん…。だから自分しか頼れる人がいないって思って今まで生きて来たの。」

「そうか。大変だったんだな。ごめんな、そんなことも知らなくて。」

「ううん。言えなかったの。あの頃昌也にどう思われるか怖くて。」

「そんなことどうとも思わないよ。千佳は千佳だし親は関係ない。ただ、それを知ってたら俺はもっと千佳を支えたかった。」

「ありがとう。そう言ってくれた嬉しい。」

泣き笑いをしながら答える私の頭を撫でてくれる。
< 69 / 103 >

この作品をシェア

pagetop