捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
昌也は久しぶりのキスを私にした。

甘く切ないキスだった。

懐かしいキスだった。

昌也は私の唇に、頬に、額に、首にチュッチュッと触れるだけのキスを繰り返す。

泣いていた瞼にもキスを落とす。

「千佳、もう泣かなくていいんだよ。俺がいるから。」

「うん…」

そういうと昌也はまたキスを落とす。

私の脈はどんどん上がってくる。

私が昌也に抱きつくと昌也の脈も上がっているのがわかる。

昌也に抱きつき、昌也の体温を感じる。

昌也も私の背中に手を回して来て私の身体を触る。

昌也の手は私のパジャマの裾から入ってきて直に肌に触れる。

昌也の骨張った、器用な手が私を撫で回す。

久しぶりに昌也に触れられ私はまた胸がギュッとしてしまう。

「ダメだよな。千佳に触れたいけど、千佳は疲れてるから。今日は一緒に寝るだけにしよう。千佳が復活したら…触れさせて。」

「うん…。」

私を気遣う言葉に胸がキュンとした。

昌也はまたキスをした後お風呂に入りに行った。

智也の寝顔を見ながら私と昌也は一枚の布団で背中から包まれるようにしながら横になった。

背中に昌也の体温と心臓の音を感じているとすぐに眠くなってしまった。
< 72 / 103 >

この作品をシェア

pagetop