捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています
翌朝、まだ昌也からの連絡はない。

スカイツリーに10時で約束してるけど…よく考えたら昌也の両親の連絡先を知らない。

でも昌也からの連絡がないから私はネットで調べ電車で行くことにした。

智也と一緒だから余裕を持って家を出るが、駅に着くまでもかなり時間がかかった。

このままだとギリギリかも。

ちゃんと会えるか心配になる。

もっと詳しく約束すればよかったー。

そうは思っても今更だ。

私は電車を乗り継ぎ、やっとソラマチについた。

この辺りで待ってみよう。
智也はウロウロと植え込みの方を行ったり来たりしている。

10時を過ぎたが昌也の両親は来ない。

遅れているのかもしれないし、無闇に動いても…と思い智也と待ち続ける。

10時半になった。
どうしよう。

さすがにここで待ってても会えないのかもしれない、と思い始めたその時、
「千佳ちゃん!」
と言う声が聞こえた。

お父さんが探しにきてくれたのだ。

お母さんは別のところにいるみたい。

お互い動けずにいたがお母さんを待たせて別の出入り口を見にきてくれたみたい。

昌也に連絡しても繋がらないからお父さんが動いてくれたみたい。

助かった…

智也もこのままだと疲れちゃう。

「じーじー!」

智也はお父さんを見つけると駆け寄った。
お父さんも智也を抱き上げてくれた。

お父さんが抱いてくれたままお母さんの待つ入り口へ向かった。

「千佳ちゃん!やっと会えたわー。ごめんなさいね。ちゃんと約束すればよかったわね。連絡取れないって本当に困るわね。昔はちゃんと約束したんだけど今は携帯に頼ってるものね。連絡取れなくて心配だったの。昌也と繋がらないから千佳ちゃん電車なんじゃ…と思って。」

「昌也は緊急オペになったみたいで連絡がなくて…。」

「そうだったのね。智也くん連れて大変だったでしょう。ごめんなさいね。すぐに探さなくて。」

「連絡先を交換もしてなかったのでどうしようかと思いました。ダメですね…携帯に頼っていて。」

「千佳ちゃんもこんな気持ちだったのよね。私たちものすごく実感したわ。昌也が本当に申し訳ないことをしたわ。私たちから改めて謝らせてほしいの。ごめんなさい。」

「もういいんです。」

「そう言ってくれてありがとう。これからは私たちがあなたと智也くんを大切にしていくからね。」

「ありがとうございます。」
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