出会いの“キセキ”

「ミアビ、次どうする?」

「すること無いですよねー…」


少しの沈黙のあと、カズキさんが
口を開いた。

「ミアビは俺のこと本気で好き?」

「好きに決まってるじゃないですか!!
なんでですか?」

「なんか時々不安になる。
ミアビがどっか行っちゃいそうで…」

「大丈夫ですよ…絶対に……」

カズキさんは、なぜ不安なのか
私には全然分からなかった。

こんなに好きって言い合ってるのに。
私は…嘘なんかつかないよ??

「まだ時間あるし…俺ん家行くかぁ!!」

「はい♪」

カズキさんの家まで自転車で15分。
全然余裕だった。

「兄さんも最近ずっといないから
 全然大丈夫だし♪」

「え?お兄さんいるとだめなんですか?」

「いや…えっと……
まず、いいの」

なんだろ…
なんかいつもと様子が違うよ……?

「てか、ミアビのアルバム見たぁい♪」

「ミアビもカズキさんのみたいです♪」

「じゃあ家で見せるから、
ミアビのアルバムも持っていこう♪」

私は物置部屋から“木内実愛美”と
書いたアルバムを出して持った。

それから、また2ケツでカズキさんの家に向かった。
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